【ExcelVBA】特定のデータシートから、2つの印刷書式設定で印刷するコード※各行コメント付きで！

Excelで印刷たいシートが複数ある場合のVBA

Excelで印刷たいシートが複数ある場合のVBA

Excelで一揆に印刷したい。そんなときに使ってみてください。
基準となるデータから抽出し印刷するコードです。

1. 処理の概要

「データシート」の A列（店番コード）と C列（店名）を検索
- C列 に “福岡” がある行の A列（店番コード）を取得
- 店名が空白でも考慮
- 取得した店番コードをリスト（辞書型変数）に格納
全シートを検索し、以下の条件で処理
- B2 に 福岡の店番コード → A1:T60 を 書式① で設定し印刷
- C4 に 福岡の店番コード → A1:M46 を 書式② で設定し印刷
シートが保護されている場合は保護解除
書式設定を適用
- B2 の場合 → 書式①（Arial, 太字, 薄青）
- C4 の場合 → 書式②（Calibri, 斜体, 左上揃え, 薄黄）
余白設定・中央揃えの適用
印刷プレビュー（または直接印刷）

2. 詳細な処理の流れ

📌 ステップ 1：福岡の店番コードを取得

データシート の C列を走査し、”福岡” がある行の A列（店番コード） を取得
取得した店番コードを 辞書（fukuokaShops）に格納（重複防止）

📌 ステップ 2：各シートを検索し、該当するシートのみ印刷

B2 に福岡の店番コードがあるシート：
- A1:T60 の範囲を「書式①」で設定＆印刷
C4 に福岡の店番コードがあるシート：
- A1:M46 の範囲を「書式②」で設定＆印刷

📌 ステップ 3：シートの保護を解除

シートが保護されている場合 は、パスワードを使って保護を解除
パスワードが不要なら password = "" に設定

📌 ステップ 4：印刷範囲ごとに異なる書式設定を適用

📌 B2 に店番がある場合（書式①）

適用範囲：A1:T60
フォント：Arial、サイズ：12、太字
背景色：薄青（RGB(200, 200, 255)）
横・縦中央揃え

📌 C4 に店番がある場合（書式②）

適用範囲：A1:M46
フォント：Calibri、サイズ：10、斜体
背景色：薄黄（RGB(255, 255, 200)）
左上揃え

📌 ステップ 5：余白・中央揃えの適用

B2 のシート → 余白を広め（中央揃え）
C4 のシート → 余白を狭め（中央揃えなし）

📌 ステップ 6：印刷

現在はプレビュー表示 (PrintPreview)
直接印刷したい場合は PrintOut に変更可能

3. コードの分割

処理	コード内の対応関数
福岡の店番を取得	`PrintSheetsWithFukuokaShops`
`B2` に店番があるシートを処理	`FormatAndPrintSheet_Type1`
`C4` に店番があるシートを処理	`FormatAndPrintSheet_Type2`

VBAコード

Sub PrintSheetsWithFukuokaShops()
    Dim ws As Worksheet          ' 各シートを処理するための変数
    Dim dataSheet As Worksheet   ' データシート（店番と店名があるシート）
    Dim fukuokaShops As Object   ' 福岡の店番を格納する辞書（重複回避）
    Dim cell As Range            ' セルを走査するための変数
    Dim password As String       ' シート保護解除用のパスワード
    Dim shopCode As Variant      ' 各シートの店番コード
    Dim printRange As Range      ' 印刷範囲
    
    ' ① データシートの設定（店番コードと店名があるシート）
    Set dataSheet = ThisWorkbook.Sheets("データシート")
    
    ' ② 福岡の店番を格納する辞書（重複を避けるために使用）
    Set fukuokaShops = CreateObject("Scripting.Dictionary")
    
    ' シート保護解除用のパスワード（不要なら "" に設定）
    password = "1234"

    ' ③ データシートのC列を走査し、「福岡」の店番を辞書に格納
    For Each cell In dataSheet.Range("C1:C" & dataSheet.Cells(Rows.Count, 3).End(xlUp).Row)
        ' C列が "福岡" の場合、A列の店番を辞書に格納（店名が空白でも処理）
        If cell.Value = "福岡" And Not fukuokaShops.exists(cell.Offset(0, -2).Value) Then
            fukuokaShops.Add cell.Offset(0, -2).Value, True
        End If
    Next cell

    ' ④ 各シートをループして、該当するシートのみ印刷
    For Each ws In ThisWorkbook.Worksheets
        ' データシート自体はスキップ（印刷対象外）
        If ws.Name <> dataSheet.Name Then
            
            ' ⑤ シート保護が有効なら解除
            If ws.ProtectContents Then
                On Error Resume Next
                ws.Unprotect Password:=password
                If Err.Number <> 0 Then
                    MsgBox "シート '" & ws.Name & "' の保護を解除できませんでした。", vbCritical
                    Exit Sub
                End If
                On Error GoTo 0
            End If

            ' ⑥ B2 または C4 に店番があるかチェック
            If Not IsEmpty(ws.Range("B2").Value) Then
                shopCode = ws.Range("B2").Value
                If fukuokaShops.exists(shopCode) Then
                    ' A1:T60 を **書式①** で書式設定して印刷
                    Set printRange = ws.Range("A1:T60")
                    Call FormatAndPrintSheet_Type1(ws, printRange)
                End If
            End If

            If Not IsEmpty(ws.Range("C4").Value) Then
                shopCode = ws.Range("C4").Value
                If fukuokaShops.exists(shopCode) Then
                    ' A1:M46 を **書式②** で書式設定して印刷
                    Set printRange = ws.Range("A1:M46")
                    Call FormatAndPrintSheet_Type2(ws, printRange)
                End If
            End If
        End If
    Next ws

    ' 完了メッセージ
    MsgBox "福岡の店番があるシートの印刷が完了しました。", vbInformation
End Sub

' ⑦ 【書式①】B2 に店番がある場合の書式設定と印刷
Sub FormatAndPrintSheet_Type1(ws As Worksheet, printRange As Range)
    ' ⑧ 書式設定（書式①）
    With printRange
        .Font.Name = "Arial" ' フォントをArialに設定
        .Font.Size = 12 ' フォントサイズを12に設定
        .Font.Bold = True ' 太字
        .HorizontalAlignment = xlCenter ' 横方向に中央揃え
        .VerticalAlignment = xlCenter ' 縦方向に中央揃え
        .Interior.Color = RGB(200, 200, 255) ' セルの背景色を薄青（RGB値）
    End With

    ' ⑨ 印刷設定（余白・中央揃え）
    With ws.PageSetup
        .PrintArea = printRange.Address ' 印刷範囲を指定
        .LeftMargin = Application.InchesToPoints(0.5) ' 左余白0.5インチ
        .RightMargin = Application.InchesToPoints(0.5) ' 右余白0.5インチ
        .TopMargin = Application.InchesToPoints(0.75) ' 上余白0.75インチ
        .BottomMargin = Application.InchesToPoints(0.75) ' 下余白0.75インチ
        .HeaderMargin = Application.InchesToPoints(0.3) ' ヘッダー余白0.3インチ
        .FooterMargin = Application.InchesToPoints(0.3) ' フッター余白0.3インチ
        .CenterHorizontally = True ' 横方向の中央揃え
        .CenterVertically = True ' 縦方向の中央揃え
    End With

    ' ⑩ 印刷（プレビュー or 直接印刷）
    ws.PrintPreview ' 印刷プレビュー
    ' ws.PrintOut ' 直接印刷する場合はこちらを有効に
End Sub

' ⑪ 【書式②】C4 に店番がある場合の書式設定と印刷
Sub FormatAndPrintSheet_Type2(ws As Worksheet, printRange As Range)
    ' ⑫ 書式設定（書式②）
    With printRange
        .Font.Name = "Calibri" ' フォントをCalibriに設定
        .Font.Size = 10 ' フォントサイズを10に設定
        .Font.Italic = True ' 斜体
        .HorizontalAlignment = xlLeft ' 左揃え
        .VerticalAlignment = xlTop ' 上揃え
        .Interior.Color = RGB(255, 255, 200) ' セルの背景色を薄黄（RGB値）
    End With

    ' ⑬ 印刷設定（余白・中央揃え）
    With ws.PageSetup
        .PrintArea = printRange.Address ' 印刷範囲を指定
        .LeftMargin = Application.InchesToPoints(0.3) ' 左余白0.3インチ
        .RightMargin = Application.InchesToPoints(0.3) ' 右余白0.3インチ
        .TopMargin = Application.InchesToPoints(0.5) ' 上余白0.5インチ
        .BottomMargin = Application.InchesToPoints(0.5) ' 下余白0.5インチ
        .CenterHorizontally = False ' 水平中央揃えなし
        .CenterVertically = False ' 垂直中央揃えなし
    End With

    ' ⑭ 印刷（プレビュー or 直接印刷）
    ws.PrintPreview ' 印刷プレビュー
    ' ws.PrintOut ' 直接印刷する場合はこちらを有効に
End Sub

4. 実行手順

VBAエディタを開く（Alt + F11）
標準モジュールを追加
コードを貼り付け
データシートの名前を変更（データシート → 実際のシート名）
パスワードを設定（不要なら password = ""）
マクロを実行（Alt + F8 → PrintSheetsWithFukuokaShops を選択）

⚙️ 5. カスタマイズ可能な部分

項目	変更方法
検索する店舗名	`"福岡"` → `"大阪"` などに変更
検索するセルの位置	`B2` や `C4` の位置を変更
印刷範囲の調整	`A1:T60` や `A1:M46` を変更
フォントや背景色	`Arial` や `Interior.Color` を変更
印刷余白や中央揃え	`.LeftMargin = ...` などの設定を変更
印刷プレビュー or 直接印刷	`ws.PrintPreview` → `ws.PrintOut`

📢 6. 注意点

✅ データシートの店番が “福岡” であるか確認
✅ シートの保護解除が必要なら password = "1234" を設定（不要なら "" に）
✅ Excelの設定によって、プレビューの表示が遅くなる場合がある（100シートなど大量処理時）

🚀 7. まとめ

🔹 福岡の店番コードを取得し、該当するシートを印刷
🔹 B2 の場合は A1:T60（書式①）、C4 の場合は A1:M46（書式②）を適用
🔹 シート保護を解除し、書式設定・余白調整を適用
🔹 現在はプレビュー表示（直接印刷も可能）

📌 補足：７７行目.Interior.Colorはどの部分で役に立っているか？

🔹 1. 印刷前の視認性向上

このコードは、印刷前に「この範囲が選択され、適用されたこと」を 視覚的に明確にする ために役立っています。
ユーザーがExcelを開いたときに、「このセルが印刷対象」とひと目で分かるようになります。

With printRange
    .Font.Name = "Arial" ' フォントをArialに設定
    .Font.Size = 12 ' フォントサイズを12に設定
    .Font.Bold = True ' 太字
    .HorizontalAlignment = xlCenter ' 横方向に中央揃え
    .VerticalAlignment = xlCenter ' 縦方向に中央揃え
    .Interior.Color = RGB(200, 200, 255) ' 💡 セルの背景色を薄青（Excel上の視認性向上）
End With

こうすることで、印刷対象の範囲が Excel上では青く強調 され、ユーザーは どのセルが処理されるのか確認しやすく なります。